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心の命ずるままに
命の糸
2009-03-27 Fri 22:45
私たち夫婦に怒涛の荒波が押し寄せ始めたのは、つい1ヶ月半前のことです。
今考えると、これまで80歳を越したお互いの両親の健康面について、ほとんど
心配をせずに暮らしてこれたことは奇跡に近いことであったのかもしれません。

それが、変わってしまったのは、つい1ヶ月半前に倶知安に住む義父が、札幌の
病院に入院をしてからのことです。 難しい病気で昨日2回目の転院をしました。
そして、追い討ちを掛けるように、先週義母が急逝し、さらに私の母も足の怪我で
入院をしてしまったのです。

この間、札幌で入院をしている義父に一目会わせたくて、倶知安で亡くなった義母
の密葬を札幌で行い、病院の外出許可を取って駆けつけた義父が、義母の亡骸
( なきがら ) の前で号泣をするなど、涙涙の連続でありました。

そして、本日、義母の初七日法要が終わりましたので、取り合えずこれまでの経過
をご報告しますが、この嵐は、まだまだ続きそうです。 そして、いつか落ち着いたと
きに、もう少し詳しい内容を、お伝えできるかもしれません。

今回奇しくも、 「 老いること 」 、 「 生きること 」 、 「 死ぬこと 」 について考えさせ
る強烈な出来事が身近で起こってしまいました。 そして、この 「 命の糸 」 の長さ
は、人それぞれ決まっていて、神のみが知るところなのでしょう。

そして、この長さを知らない私たちに出来ることは、月並みな言い方ですが、 今を
精一杯生きることなのだと思います・・・・

糸 ( 塔 和子 )

生から死へ一本の白い糸があって
 日々たぐっているが
 ほんとうは誰も
 いまだその糸を見た人はいない
 たぐり終わったとき
 いのちも終わるからだ

私の糸はあと何年あるいは何日残っているか
糸のとぎれたところは冥界で
神様のさいはいするところだから
 きっと
 美しい花が咲き乱れ
 清らかな音楽がしっとりと流れているだろう
 しかしそう思っても

やっぱり雑事に追われるこの世に
愛着があって
糸のことは忘れている
そして
 病気になるとふっと思い出し
 いま自分のにぎっているのは
 どのくらいのところだろうと
 改めてその命の糸を
 ひっぱってみたりする
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最初の質問
2009-03-14 Sat 21:22
今と昔を比較すると、人の平均寿命は確実に伸びてきているのに、時間の長さを
感じている人はどれだけいるのでしょう。 慌ただしく、忙しなく、余裕もなく。
昔は、今より豊かな自然の中で、季節の移ろい、時間の経過を感じていました。

私は、毎朝犬の散歩をして、空を見て、雲を見て、樹木を見て、風の匂いをかいで、
鳥の声に耳を傾けています。

10代のときのじぶんが好きです。 たぶん、今の精神年齢はその時のままでしょう。
世界という言葉で、まずおもいえがく風景は残念ながら 「 砂漠 」 です。

いま私がいる場所で、耳を澄ますと、風の音が聴こえます。 じっと目をつぶると、
笑顔が見えてきます。 いま私にとって必要なのは問いです。

私にとって、あるいは私の知らない人びと、私を知らない人びとにとって、幸福は
生きていて、空を見て、雲を見て、樹木を見て、風の匂いをかいで、鳥の声に耳を
傾けて、感動することが出来ることだとおもいます。

そして、これらの言葉を信じています・・・・・

最初の質問 ( 長田弘 )

今日、あなたは空を見上げましたか。 空は遠かったですか、近かったですか。
雲はどんなかたちをしていましたか。 風はどんな匂いがしましたか。 あなたに
とって、いい一日とはどんな一日ですか。 「 ありがとう 」 という言葉を、今日、
あなたは口にしましたか。

窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。 雨の雫 ( しずく ) をいっぱい溜め
たクモの巣を見たことがありますか。 樫 ( かし ) の木の下で、あるいは欅 ( け
やき ) の木の下で、立ちどまったことがありますか。 街路樹の木の名を知ってい
ますか。 樹木を友人だと考えたことがありますか。

このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。 砂のうえに坐ったのは、草のうえに
坐ったのはいつでしたか。 「 うつくしい 」 と、あなたがためらわず言えるものは
何ですか。 好きな花を七つ、あげられますか。 あなたにとって 「 わたしたち 」
というのは、誰ですか。

夜明け前に啼 ( な ) きかわす鳥の声を聴いたことがありますか。 ゆっくりと暮
れてゆく西の空に祈ったことがありますか。 何歳のときのじぶんが好きですか。
上手に歳をとることができるとおもいますか。 世界という言葉で、まずおもいえが
く風景はどんな風景ですか。

いまあなたがいる場所で、耳を澄ますと、何が聴こえますか。 沈黙はどんな音
がしますか。 じっと目をつぶる。 すると、何が見えてきますか。 問いと答えと、
いまあなたにとって必要なのはどっちですか。 これだけはしないと、心に決めて
いることがありますか。

いちばんしたいことは何ですか。 人生の材料は何だとおもいますか。 あなたに
とって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたを知らない人びとにとって、幸福
って何だとおもいますか。

時代は言葉をないがしろにしている ― あなたは言葉を信じていますか。
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すこやかに おだやかに しなやかに
2009-02-19 Thu 20:35
0902雪あかり28
小樽雪あかりの路

 こころの色 ( 谷川俊太郎 作 )

 私がなにを思ってきたか
 それがいまの私をつくっている
 あなたがなにを考えてきたか
 それがいまのあなたそのもの

 世界はみんなのこころで決まる
 世界はみんなのこころで変わる
 あかんぼうのこころは白紙
 大きくなると色にそまる
 私のこころはどんな色?
 きれいな色にこころをそめたい

 きれいな色ならきっと幸せ
 すきとおっていればもっと幸せ

0902雪あかり30

 影と海 ( 谷川俊太郎 作 )

 私がだれかを傷つけるとき
 苦しむのはこの私
 あなたがだれかを苦しめるとき
 傷つくのはそのあなた

 苦しみも傷もついてくる
 影のようにどこまでも
 私がだれかを喜ばすとき
 幸せなのはこの私

 あなたがだれかを幸せにするとき
 喜ぶのはそのあなた

 幸せと喜びは歌っている
 海のようにいつまでも

0902雪あかり29

 愛が消える ( 谷川俊太郎 作 )

 あいつが私を悲しませる
 あいつが私を傷つける
 あいつが私を打ちのめす
 あいつが私を不幸にする

 あいつのせいにしていると
 私はあいつに閉じこめられる
 私がだれかを憎むとき
 私は私を憎んでいる
 だれかがあなたをうらむとき
 だれかは世界をうらんでいる

 憎むほど憎しみはふくらんでいく
 うらむほど愛は消えていく

0902雪あかり27

 たったいま ( 谷川俊太郎 作 )

 たったいま死ぬかもしれない
 こころの底からそう思えれば
 あらそいもいさかいもしたくなくなる
 だれもがたったいま死ぬかもしれない

 死ぬことはこわくなくなる
 安らかに生きていければ
 こころはいつもふらふらしている
 こころはいつもふるえている
 こころはいつもさまよっている
 こころは晴れたり曇ったり

 そんなこころの深みには
 ひとすじの清らかな流れがあるはず

0902雪あかり31
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北国の11月
2008-10-30 Thu 19:50
0810秋

今日の北海道新聞の 「 卓上四季 」 で、今の季節のことを、実にうまい表現で
こう書いていました。

初雪の便りが各地から聞こえてきた。 10月は明日で終わりだ。 冬が近い。
< 北国の11月は、まさしく生殺しの季節である >。 作家の渡辺淳一さん
( 空知・上砂川生まれ ) がそう書いている ( 11月の憂鬱 ( ゆううつ ) )。

暖かくなる当てがないのに、ふと晴れてみせる。 そんな時季だからだ。
夏への愛着を断ち切ろうと決めたのに、気まぐれに陽光を届ける。
冬を迎える決心をやっと固めていた。 日が差すたび、それが鈍る。

<苛々 ( いらいら ) した気持は、あきらめかけた人から、時に電話をかけ
られるのに似ている > < 11月は 「 悪女 」 に違いない。
あるいは「 憎い男 」というべきか>。 


0810秋2

そう、感傷的になることはないのですが、今の時季は 「 秋 」 と 「 冬 」 が入り
混じって、落ち葉や枯れ枝が雨にぬれているかと思えば、時折白く冷たいもの
が舞うこともあります。 何とも言えず哀しい気持ちにさせる季節です。

0810秋3

そして、いつもこの時期に思い出す詩が、堀内大学の 「 十一月にふる雨 」 です。
一昨年 ( 2006年 ) の11月6日にも書きましたが、これは、学生時代によく歌った
男声合唱組曲 「 雨 」 の中にあり、珍しく 「 バス 」 が主役の合唱曲です。

この合唱曲は、抑揚のない低音の歌声にのせて、畳み掛けるように 「十一月の雨 」
の物悲しさを表現しています。 私の大好きな歌の一つです。

ところで、これらの写真は、犬の散歩の途中で写したものですが、日が落ちるのが
すっかり早くなってしまいました。

0810秋4

十一月にふる雨 ( 堀内大学作詞 )

十一月は うらがなし
世界を濡 ( ぬ ) らし 雨がふる

十一月に ふる雨は
あかつき来れど なお止まず

初冬の皮膚に ふる雨の
真実つめたい かなしさよ

されば木の葉の 堪 ( た ) えもせで
鶫 ( つぐみ ) 、鶉 ( うずら ) も身ぶるいす

十一月に ふる雨は
夕暮来れど なお止まず

されば乞食の いこうべき
ベンチもあらぬ 哀 ( あわれ ) さよ

十一月に ふる雨に
世界一列 ぬれにけり

王の宮殿 ( みやい ) も ぬれにけり
非人の小屋も ぬれにけり

十一月に ふる雨は
夜来れども なお止まず

逢引 ( あいびき ) のみやび男も ぬれにけり
みやび女も ぬれそぼちけり
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