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心の命ずるままに
10滴の水
2008-01-23 Wed 20:08
sagyoudai
   雑然としていますが、私が使っている作業台です

ようやく一段落しましたが、昨年の9月以来、様々な排水の水質検査をしてきま
した。 とても汚れた水です。 というのも、様々な工場から、河川に流される排
水には“ 汚れ度合い ”の基準があって、これを上回る「 水 」は、排出してはい
けないことになっているからです。 なお、概略は以前に書いた「 水質検査 」
参考にしてください。

そして、これを知るには、定められた機関で検査をしなければなりません。
そこで、前にもお話ししたように 「 環境計量証明事業所 」 に登録をされている
私が所属する部署で、環境計量士である私が、検査を行っています。
そして、結果は「 証明書 」として発行するのです。

私の所属する部署は、農産物や加工食品の分析、細菌検査、水質検査などに
ついて、限られた人数で分担しているため、良く言えば少数精鋭、悪く言えば、
組織全体として器用貧乏のところがあります。

haisui
 2 リッターの密閉容器に入れた、水質検査試料です。

ところで、このように私は「 水 」と格闘をしているのですが、この「 水 」には不思議
な秘密が、たくさんあるようです。 今後少しづつお伝えします。

その一つは、様々な物質を溶かす能力がとても高いということです。
これは、水分子の構造に由来するのですが、後日取り上げます。
そのために、水は際限なく汚れてしまい、水質検査の項目数はとても多いのです。

このために私たちは、地球上にある水の僅か 0.02 %しか利用できないのです。
つまり、1 リットルのうち、0.2ミリリットル “ 水滴で 10滴に相当 ” しか使えません。
さらに、地球温暖化によって、この水も偏在化“ 多い所にはより多く、少ない所には
より少なく ” してきていて、この“ 10滴の水 ”の奪い合いが始まっているのです。

現在でも、発展途上国における病気の 80 % が不衛生な水が原因であり、8秒に
一人の割合で死亡していますが(「 きれいな水を子どもたちに 」)、私たちにとっても
近い将来、水は石油より高価になり、正に「 水戦争 」時代の瀬戸際に立たされてい
ると言われています。

「 知っておきたい水のすべて 」 ( 石原信次 ) より

97.5 % は利用のできない海水です。 そして、私たちが利用できる淡水は、水全体
の 2.5 % しかなくて、しかもこの内 70 % は、南極の氷や高地の氷河で、残り 29
% は地下水です。 地下水の半分以上は、地面から 800メートルより深いところに
あり、人間が容易に使える水ではありません。

つまり、川や湖、雨水などの、私たちが使える水は、淡水のうち 1 % 程度しかない
のです。 それは地球上すべての水の、約 0.02 % にすぎません。
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水質検査
2007-07-02 Mon 19:37
BOD
          BOD用ガラス瓶

前回の続きとして、わが国の水質に係わる基準について、ごく簡単にご説明しま
す。 少し面倒な法律と化学用語が出てきますが、我慢してください。

まず、環境中の水質については・・・・
環境基本法による「 水質汚濁に係る環境基準 」があり、これは、河川、湖沼、海の
水質の“ 維持されることが望ましい基準 ”であり、37項目もあります。
さらに水質汚濁防止法による、工場または事業場からの「 排水基準 」が、多項目
あります。

また、飲み水の水質については・・・・・
水道水水質基準があり、管理目標項目も含めると、77項目にも上ります。
大腸菌、シアン、水銀及びトリハロメタンなど人の健康に影響を与える項目と、色、
にごり、においなど生活利用上、あるいは腐食性など施設管理上必要となる項目
が定められています。

このように、我が国における、環境あるいは飲み水の水質基準は万全のようです。
ただ、運用面では北海道北見市での大規模断水事故において、にごり水が一般
世帯にも流れていたなど、対応のまずさが問題となっておりますが・・・・

ところで、水の汚れを表すのに、環境計量測定の分野では、SS、BOD、COD
がよく使われています。 それを紹介しますと・・・

水の「 汚れ 」を知るうえでとても重要な目安が、「 にごり 」と「 微生物のえさとなる
有機物の量 」です。 特に、有機物量が多いと微生物によって腐敗し、有害菌も発
生します。 発展途上国の子供たちは、これによって下痢や悪性の病気にかかり、
亡くなっていくのです。

その中で、「 にごり 」の検査項目は浮遊物質量( SS )で、水に溶けないで浮遊し
ている直径2mmより小さい粒子状物質をろ過し、その重量を測定します。

また、「 微生物のえさとなる有機物の量 」の検査項目は、生物化学的酸素要求量
( BOD )で、微生物がこれを分解するときに使う酸素の量を測定します。
具体的には、密閉ガラス瓶に試料と調整水を入れ、5日間放置しておくと、水中の
酸素が減少します。 この減った酸素の量をBOD値としており、河川の「 汚れ 」
の指標となっています。

さらに、化学的な「 汚れ 」の検査項目は、化学的酸素要求量( COD )で微生物の
かわりに薬品を使って、水中で酸素が使われる量を測定します。 そして、これは
湖沼と海の汚れの指標として使われます。

いずれにしても、両者の値が大きい方が、汚れているということになります。
このように、「 水 」の質と安全が確認され、また水処理技術によって確保されてい
ます。 そして、これには人件費を含め多大な経費が必要で、私たちは、それなり
のコストを負担しているのです。

ところで、某超大国が中東で、“ 人殺し ”につぎ込んでいるお金のほんの一部が
あれば、どれだけの“ 汚れた ”水に苦しむ子供たちを助けることができることか・・・・
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「 環境計量士 」の国家試験
2007-01-16 Tue 21:05
環境計量試験

今年も年1回の国家試験が3月4日(日)に予定されているようです。
昨年の受験者数が4,921名で内合格者590名( 12.0% )と
意外と狭き門のようです。

環境計量士は「 濃度関係 」と「 騒音・振動関係 」に分かれ、
私は「 濃度関係 」を取得しましたので、この国家試験について
アドバイスします。まず、試験科目は下記のとおりです。

 1.専門科目
  (1)環境計量に関する基礎知識( 化学 )
  (2)化学分析概論及び濃度の計量
 2.共通科目
  (1)計量関係法規
  (2)計量管理概論

つまり、専門として化学および濃度計量の「 基礎知識 」と「 応用知識 」
が問われ、共通として「 関係法規 」と「 計量管理 」があり、
それぞれ25問を70分で解かなければなりません。
1問当り3分弱ですので、特に専門科目ではペース配分を考えないと
時間が足りなくなります。

「 関係法規 」と「 計量管理 」は出題傾向も定まっているので、
それなりに暗記をすれば大丈夫ですが、問題は化学および濃度計量の
「 基礎知識 」と「 応用知識 」です。
参考書としては日本環境測定分析協会「環境計量士への近道 上・下」が
基本ですが、取っ付きにくいところがあるので、過去問を解きながら
ポイントを整理した参考書「 よくわかる! 環境計量士 濃度関係( 弘文社 ) 」
などを利用する方が効率的でしょう。
そして、重要なポイントでは丸暗記でなく、その意味を理解しないと、
応用が利きかず、問題を解く力がつきません。

昨年の合格ラインは、専門2科目合計が46%以上(23問/50問)
“ 通常は60%以上 ”、共通2科目合計が60%以上でしたので、
難しい問題を飛ばし、比較的易しい問題で確実に点を取る必要があります。
そのため、時間の掛かる計算問題などは後回しにして、確実に点が取れる
問題を再度見直すくらいの方が良いと思います。ケアレスミスは多いですから。
また、いくら共通科目が良くても、専門科目が駄目だと意味がありません。
片寄りなく勉強をしてください。
それでは、本番が近づいてきました。幸運をお祈りします。
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「 環境計量士 」 とは
2007-01-12 Fri 22:19
排煙

これまで、私の趣味に関する話題ばかりで、
遊びに来てくれる方も、なかなか増える兆しがないため、
ここで、少し方向を変えて、仕事にまつわるお話をしたいと思います。

私は現在、環境計量士ですが、実は昨年3月、49歳で初めて試験を受け、
幸運にも受かり、現在に至っております。
これまでは、土壌肥料に関する研究員として働いていたのですが、
人事異動により、一昨年、環境計量証明事業所のある部署に移り、
必要に迫られて、受験をした経過にあります。

何も知らない方は 「 環境計量士 」「 環境計量証明事業所 」といっても、
ピンとこないと思いますので、まず、辞書から引用しますと、
“「 環境計量士 」とは、計量法に基づく、経済産業省所管の国家資格であり、
環境に関する濃度、騒音並びに振動についての計量結果を証明する人。
そして、その証明書を発行する機関が「 環境計量証明事業所 」”
ということになります。

かいつまんで説明しますと、「 環境問題 」とは、主に大気汚染や水質汚濁、
騒音など公害問題で、今最も注目を集めている分野の一つだと思います。
そして、この解決のために、国は「 環境基準 」を定めています。
これには、膨大な項目があるのですが、例えば「 大気汚染 」に関するものでは、
イオウや窒素酸化物、オキシダント、ダイオキシンなどが、
また「 水質汚濁 」に関するものでは、カドミウム、六価クロム、鉛、水銀など
が比較的有名です。

これらの項目は、被害を受けている側と原因を発生させている側それぞれと、
一線を画した中立的な立場の人間による調査が必要となり、
更に、この結果は「 証明書 」という効力もった形で発行される必要があります。
そのため、これを発行する「 環境計量証明事業所 」は様々な要件をクリアした上
で、都道府県知事の登録を受けなければならず、その条件の一つが「 環境計量士 」
を置くことなのです。

これで、少しは理解して頂けたでしょうか。
私もこの仕事に携わって、まだ日が浅いのですが、お役所が絡むこの分野は、
分析方法一つについても、細部まで事細かに決まっており、とても複雑です。
ただ、この目的はあくまで、「 人の健康 」を守ることですので、
この厳格さは仕方ないことです。
そして、一つの正確な分析値を求めるために、様々な作業を繰り返す、
根気のいる大変地味な仕事ですが、結果がこの目的のために活用されるのであれば、
大変有意義なことだと考えています。

話は変わりますが、このような私たちの立場からすると、「 不二家 」の問題は、
正に“シンジラレナイ”ずさんさですね。 人の口に入る“ 食品 ”を扱うには、
それなりの厳格さは当然必要でしょうに。

それでは、次回は「 環境計量士 」の資格試験について、話題提供させて頂きたい
と考えております。
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