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心の命ずるままに
北国の11月
2008-10-30 Thu 19:50
0810秋

今日の北海道新聞の 「 卓上四季 」 で、今の季節のことを、実にうまい表現で
こう書いていました。

初雪の便りが各地から聞こえてきた。 10月は明日で終わりだ。 冬が近い。
< 北国の11月は、まさしく生殺しの季節である >。 作家の渡辺淳一さん
( 空知・上砂川生まれ ) がそう書いている ( 11月の憂鬱 ( ゆううつ ) )。

暖かくなる当てがないのに、ふと晴れてみせる。 そんな時季だからだ。
夏への愛着を断ち切ろうと決めたのに、気まぐれに陽光を届ける。
冬を迎える決心をやっと固めていた。 日が差すたび、それが鈍る。

<苛々 ( いらいら ) した気持は、あきらめかけた人から、時に電話をかけ
られるのに似ている > < 11月は 「 悪女 」 に違いない。
あるいは「 憎い男 」というべきか>。 


0810秋2

そう、感傷的になることはないのですが、今の時季は 「 秋 」 と 「 冬 」 が入り
混じって、落ち葉や枯れ枝が雨にぬれているかと思えば、時折白く冷たいもの
が舞うこともあります。 何とも言えず哀しい気持ちにさせる季節です。

0810秋3

そして、いつもこの時期に思い出す詩が、堀内大学の 「 十一月にふる雨 」 です。
一昨年 ( 2006年 ) の11月6日にも書きましたが、これは、学生時代によく歌った
男声合唱組曲 「 雨 」 の中にあり、珍しく 「 バス 」 が主役の合唱曲です。

この合唱曲は、抑揚のない低音の歌声にのせて、畳み掛けるように 「十一月の雨 」
の物悲しさを表現しています。 私の大好きな歌の一つです。

ところで、これらの写真は、犬の散歩の途中で写したものですが、日が落ちるのが
すっかり早くなってしまいました。

0810秋4

十一月にふる雨 ( 堀内大学作詞 )

十一月は うらがなし
世界を濡 ( ぬ ) らし 雨がふる

十一月に ふる雨は
あかつき来れど なお止まず

初冬の皮膚に ふる雨の
真実つめたい かなしさよ

されば木の葉の 堪 ( た ) えもせで
鶫 ( つぐみ ) 、鶉 ( うずら ) も身ぶるいす

十一月に ふる雨は
夕暮来れど なお止まず

されば乞食の いこうべき
ベンチもあらぬ 哀 ( あわれ ) さよ

十一月に ふる雨に
世界一列 ぬれにけり

王の宮殿 ( みやい ) も ぬれにけり
非人の小屋も ぬれにけり

十一月に ふる雨は
夜来れども なお止まず

逢引 ( あいびき ) のみやび男も ぬれにけり
みやび女も ぬれそぼちけり
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エゾタヌキ観察記
2008-10-28 Tue 19:45
0810タヌキ

動物園のエゾタヌキの前に行くと、こういう声が、よく聞こえてきます。
“ これは何 ? アライグマ ??? ”
実は、この言葉はレッサーパンダの前でもたまに聞くことがあります。
いやはや ・・・・・・

0810タヌキ5

タヌキは、最もポピュラーな動物で、様々な物語に登場します。
また、札幌には 「 狸小路 」 という有名なアーケード街もあります。

でも、デップリお腹のつき出た、擬人化された姿を頭に描いている方も多いようで、
意外と、本当の姿は知られていないようです。

0810タヌキ2

本州では、人里まで下りてきて、残飯をあさることもあるようですね。
でも、北海道では、キタキツネを見かけることがあっても、タヌキに遭遇することは
ほとんどありません。

0810タヌキ3

ところで、確かにアライグマに似てはいるようですが、タヌキはれっきとしたイヌの仲間
なのです。 写真のような足の爪をしていて、下の動画のように体をかくときも、イヌの
ようです。



何より違うのは、アライグマが器用すぎる前肢を使って、方々で悪さをしているのに
対して、タヌキはつつましく、ひっそりと生きていることでしょうか。

0810タヌキ7

それにしても、タヌキは仲が良いというか ・・・・ いつも体を寄り添って寝ています。

0810タヌキ4

意外と知らないタヌキのこと ( 森の野生動物に学ぶ101のヒントより )

タヌキのことを英語でラクーンドツグといいます。 ラクーンとはアライグマのことで、
アライグマのようなイヌということでしょうか。 確かに眉毛のあたりが薄い色で、
目の周りが真っ黒という顔立ち、ずんぐりした体つきは似ています。

ただし、マンガなどでよく勘違いされていることですが、タヌキの尾はアライグマの
ように薄い色に黒い帯のある縞模様ではありません。
分類学上もアライグマは食肉目アライグマ科ですが、タヌキは食肉目イヌ科です。

アライグマはその名のとおり物を洗うことができるほど前肢を器用に使い、家の扉
だけでなくカギさえも開けることができますが、タヌキにはそんな真似はできません。
イヌ科動物の中では唯一木に登るといわれていますが、枝のない直立する木を登る
ことは困難です。

タヌキの足の爪はイヌの爪とそっくりで、イタチ科やネコ科の動物のようにひっかけて
登るのではなく、幹の曲がりや枝をうまく使って登るのだと思われます。
タヌキは自然が豊かで天敵の少なかった日本で、不器用ではあるけれどもしなやか
に生きてきたのではないでしょうか。

0810タヌキ6
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弟路郎観察記
2008-10-27 Mon 21:20
0810弟路郎

とうとう昨夜、道北の稚内で初雪が観測されました。 日本気象協会道支社によると、
平野部での初雪観測は平年より5日遅く、昨年より14日も遅いとのことです。
一方、札幌の今日の最低気温は、5.3度で、今季最低を記録しました。
そして、手稲山も初冠雪を観測したとのことです。



これらの写真は一昨日の土曜日に撮影したものですが、南国育ちのオランウータンに
とっては、もう寒くて、このようにのんびりと外で過ごすことは出来なくなるのでしょうね。



ところで、いつも弟路郎を見て感ずるのは、体の作りが、私たちとずいぶん違うという
ことです。 これは、上と下の動画を見ると、少し分かりますが、整理すると下のように
なります。



1.手が大きくて、腕が長い ~ 脚 ( あし ) の2倍の長さとのこと。
2.足が枝をつかむようにできていて、ものすごく大きい角度で開脚できる
 ~ 大腿骨を骨盤に保持する股関節の靭帯 ( じんたい ) がないため

0810弟路郎4

いずれにしても、樹上で生活するために進化した結果です。

0810弟路郎3

いつも、一人ぼっちで退屈そうにしていています。 寒くなる前に、早くお嫁さんが
来るといいのですが・・・・

0810弟路郎5

0810弟路郎6
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エース登場
2008-10-26 Sun 06:07
0810イチョウ

北海道の北部では、来週にも平地で初雪が降るかもしれません。
このように、当地では早いもので、そろそろ冬の足音が聞こえ始めてきているのです。
そんな中、「 秋 」 も後半戦に入り、いよいよ最後に控えていたエースが、満を持して
登場したのです。 その名はイチョウ ( 銀杏 )  ・・・・・・ 昨日、天気が良かったので、
早速、北大構内にあるイチョウ並木に行って来ました。

0810イチョウ2

そこには、黄金色に輝く、圧倒されるほどの美しさがありました。 「 秋 」 の最後を飾る
のにふさわしい光景でした。 ところで、皆さんは、この植物が 「 野生絶滅種 」 であり、
「 生きている化石 」 でもあることをご存知でしたか?

0810イチョウ5

それでは、北海道新聞に下のようなコラムがありましたので、引用させていただきます。
ところで、太古の恐竜たちは、この美しい光景をどのように観ていたのでしょうか ・・・・・・

17文字のサイエンス ( 立石泰典、北海道新聞より )

銀杏は街路樹でもよく見かけますね。 このありふれた木が 「 野生絶滅種 」 だというこ
とはご存じでしょうか。



国際自然保護連合 ( IUCN ) が絶滅のおそれのある動植物を 「 レッドリスト 」 に
記していますが、イチョウはこの中で野生絶滅種として登録されているのです。

0810イチョウ3

イチョウの全盛期は、恐竜が繁栄していた中生代で、化石としては17種類が確認
されています。 現在のヨーロッパから北アメリカにかけて分布していたのが、170
万年ほど前に1種類を除いて絶滅してしまったといわれています。

0810イチョウ10

絶滅をまぬがれたイチョウは現在の中国の一部だけに自生していました。 人々が
いつこの木の存在を意識し出したのかは諸説あり定かではありませんが、11世紀
に北宋の都・開封に移植されたのを機に中国全土に広がり、食用や薬用に価値が
認められるようになったとされています。

0810イチョウ4

日本にイチョウが渡来したのは室町時代の15世紀前半と見られ、江戸時代になると、
長崎に滞在していたドイツ人の博物学者ケンペルがヨーロッパへ持ち帰ったことで、
再び世界へと広がっていきました。



のちに進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンは、太古の姿そのままに現存している
生物を 「 生きている化石 」 と呼びましたが、イチョウもまさしくその一つなのです。

0810イチョウ6

生物種の絶滅や外来種の問題をめぐって、 「 生物多様性 」 という考え方に注目が
高まっています。 イチョウは人間の手によって身近な植物として 「 復活 」 しました
が、いったん絶滅してしまった種をよみがえらせることはできません。

0810イチョウ8

北大キャンバスのイチョウ並木が見ごろを迎えました。 ここを歩いていると、生物
多様性を守っていく上で人間の役割が非常に大きいことを改めて思い知らされます。

0810イチョウ9
イチョウの実 ( 種子 ) : 銀杏 ( ぎんなん )
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