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心の命ずるままに
ばんどり
2008-11-29 Sat 21:07
0811モモンガ

それでは、今回はテレビ映像と本のコラボレーションを企画しましたので、お楽しみくだ
さい。 主題は 「 エゾモモンガ 」 で、テレビ映像は、皆さんお馴染みの 「 どうぶつ奇想
天外 」 から、本は有澤浩著 「 生けるもののふるさと森林~富良野・森だより 」です。

動画のみをご覧いただいても、この動物の魅力は十分に分かりますが、文章を一緒に
お読みいただければ、更に理解を深めることができます。  



「 エゾモモンガ 」 森のアイドル、空飛ぶ珍獣
  「 生けるもののふるさと森林~富良野・森だより 」 より


日本に生息するモモンガには二種がある。北海道のをエゾモモンガといい、本州や九州
に分布するものをホンシュウモモンガといっている。

日本には本州から九州にかけて分布するムササビという種がいる。 モモンガとほぼ同
じ習性をもち、体躯 ( たいく ) をそのまま大きくしたような動物である。 一説によれば、
このムササビの古名が毛美 ( もみ ) だとされる。 モモンガという和名は、ムササビの
古名モミがモモと転じ、これに鳴き声の “ グァー ” を結合させてできたものだという。

「 ばんどりがいるが見にこないか 」 と初対面の杣人 ( そまびと ) に案内されたことが
ある。 “ ばんどり ” とは初耳である。 地方では鳥や獣を俗称で呼ぶことがよくある。
どんな鳥をそう呼ぶのだろう、私は別な興味から杣人の案内を請うた。

現地は今が冬山造材 ( 伐採 ) の最中であった。 トドマツを主体とする天然の森は、
雪に覆われながらも薄暗さを感ずるほどに巨木が林立していた。 腰ほどまでにぬか
る雪をこぎ、あえぎながらも小一時間で目的地に到達することができた。 杣人は自信
たっぷりという表情で雪中に腰を下ろし、たばこに火をつけ、 「 あの穴だ 」 と指をさした。

見れば、ひと抱えもあるトドマツの、雪上わずか1メートルにも満たない低い所に、ピンポ
ン玉ほどの小さい穴がぽつんと開いている。 そして、その脇の樹皮を削ぎ 「 ばんどり
の家、伐るべからず 」 と朱書してあった。 彼の人柄がうかがえた。

真冬に樹洞で暮らす鳥? いろいろ思いをめぐらすがわからない。 彼のたばこの吸い
終わるのがもどかしく、独自に近づこうとして 「 シーツ 」 と静止された。 神経質なヤツ
だから俺にまかせろという。 ゆっくりと立ち上がった彼は、腰鉈 ( なた ) の鞘 ( さや )
を払い、おもむろに近づき、静かにやさしくトントンと幹を打った。 と同時に穴から顔を
覗かせたのは、黒曜石 ( こくようせき ) のような光沢をもつクリクリの大目玉の持ち主、
エゾモモンガではないか !

0811モモンガ4



彼は振り返りニヤリとし、この中には6匹がいるという。 ばんどり = モモンガ が明らか
になった以上、5匹であろうが6匹であろうがどうでよい。 無用な刺激は避けなければ
ならない。 意気込む彼を今度は私が制した。 動物好きどうしだ。 お互いうなずき合い
腰鉈 ( なた ) を鞘に納めた。 ばんどりはすでに穴に身を引っ込めていた。

しかし、彼はそこを離れず根元を指し、ここへ来いというしぐさをしている。 静かに近寄り、
そこで見たものは小山のように積み重なったエゾモモンガの糞であった。 それだけでは
なかった。 そのあたりは彼らの放尿で純白の雪をオレンジ色に染め変えていたのである。
確かにこの穴にはかなりの数のエゾモモンガが同居しているに違いなかった。

この動物をなぜ “ ばんどり ” と呼ぶのかたずねてみた。 彼は祖父から聞いた話だと
断って次のように話してくれた。

開拓に入ったころは道らしい道はなく、昼なお暗い大森林の中にわずかな道形をつけ、
数キロ以上も離れた隣家への道路としていた。 世間話に時を過ごし、ついつい夜道を
帰ることがしばしばあった。 そうした時には足元を照らすために提灯を使うが、その明か
りをめがけて飛んでくる鳥がいて、肝を冷やすことがしばしばだった。 勇気ある男たちが
捕らえてみると、それは鳥ではなくこの小動物だった。 夜になると灯火をめがけて飛ん
でくるこの動物を村の人々はだれいうともなく、いつしか “ 晩鳥 ” と呼ぶようになった。

というものであった。 うなずける話ではないか。
獣が鳥のように飛ぶ? 当時はどうしても信じられなかった。 しかし、それを目のあたり
にしたことがある。 夏の森でのことである。

0811モモンガ3



夕暮れ時、涼を求めて山間の渓流をたどった。 そこには文明社会とやらの騒々しさや、
人間関係のわずらわしさはなく、あるものはただ静寂だけであった。 そんな中で、いか
にも詩情を誘うかのように時おりさえずる小鳥の声は、なおいっそうの涼味を感じさせて
くれた。

こんな雰囲気の中で、自然の褥 ( しとね ) に腰をおろし、ひとり瞑想にふけっていると、
目の前の老朽木からスーッと、音もなく閃光のように空をきるものがあった。 リスよりも
小形で、灰色の地味な体毛を装い、体躯に似合わぬクリクリの大目玉の持ち主、それ
は北方の森林を生活の舞台とするエゾモモンガであった。

何が気に入ったのか、目の前にそびえ立つ2本のエゾマツの幹から幹へと、5匹のエゾ
モモンガが入れ代り立ち代わり、まるで空中ブランコの妙技でも誇示するかのように、
いくどもいくども飛行を繰り返している。 小鳥のような羽音はない。 鳴き声もない。
ただ幹を登るときのカサカサという小さな音だけが耳に心地よく響く、じつにすばらしい
ファンタジックな世界をかもし出してくれていた。

われを忘れて見とれていた私は、そのすばらしさに興奮してしまい、思わず拍手をして
しまった。 ところが、聞きなれない物音に驚いた彼らはぴたりとその行動を止め、エゾ
マツの幹にしがみついてしまった。 20分も待ったが微動さえしない。 動くのは、夕日
にキラキラと映えて美しい長い髭 ( ひげ ) だけである。

私はあの空中ブランコを、もう一度どうしても見たかった。 そこで、じっと空中ブランコの
再演を待つことにした。 沢筋のひんやりとした冷気は申しぶんがなかったが、そんな
場所にはつきもののヤブカには閉口させられてしまった。 しかし、その甲斐があって、
やがて彼らの空中ブランコの再演となったのである。

やはり待った甲斐があった。 すばらしい、ほんとうにすばらしい。 だが、中にはうまく
飛べないものもいる。 いや、意気地がないのであろう。 幹をスルスルと登り高い所ま
では行くのだが、どうしても隣の樹へ飛び移れないでいる。 ジャンプのかまえをみせ、
尻をモジモジさせるのだが、どうしてもふんぎりがつかないようだ。

吹き出しそうになるのをがまんし、よくよく観察してみると、その愛嬌のある顔つきは明
らかに幼く、体もやはり一人前とはいえそうにない。 幼獣なのであった。
他の連中は? 確かに皆あどけない顔つきである。 きっとこの夏誕生した兄弟連中が、
滑空のトレーニングでもしていたのであろう。

いつのまにか陽はすっかり西に落ちていた。 ヨタカのけたたましい声にわれにかえり、
その場を離れたのである。

0811モモンガ2




モモンガはリスの仲間であるが、完全な樹上生活者で、一生のうち地上に下りることが
ほとんどないとされているほどに、哺乳動物仲間では珍しい習性の持ち主なのである。
木登りはリスより巧みで、そのうえリスにはできない滑空をする。

彼らには前後肢の間に発達した飛膜というものがあり、滑空に際し四肢 ( しし ) を広げ
て飛膜を張り、樹木の高い所から他の樹の根元へと、その落差を利用し、斜めに滑るよ
うに流線形の弧を描いて飛ぶのである。

しかも、飛びながら扁平な尾を巧みに使い分け、方向を定めて正確に目的地点に達する
ことができる。 そしてまた樹に登り、次から次へと滑空を繰り返し、決して地上には下り
ずに移動していく。

彼らは仲間意識が強いものとみえ、一定の場所に集まって棲んでいるようである。
たまたまそんな場所に出くわすことがあるが、人なつっこい彼らは人間を恐ろしいものと
は思わぬのであろうか、手の届きそうな所を平気で滑空して見せてくれるのである。

しかし、図に乗りすぎて失敗することもあり、樹と間違えて人間に向かって飛んでくるこ
ともある。 また、彼らは先の “ ばんどり ” の一件で明らかなように “ 飛んで火に入る ”
妙な習性があり、闇夜に驚かされることもしばしばある。

仕事の関係で、夜間に林中に電灯をともし、昆虫採集を行なうことがあるが、そんな時に
電灯めがけて音もなく飛来する彼らには、本当に度肝を抜かれてしまう。

しかし、見るからに愛敬のある顔立ちと、人なつっこさ、そして人間に危害を加えることを
知らないエゾモモンガは、北の森に棲む動物たちの中でも特に親近感をいだかせる動物
ではある。

ともあれ、こんな可愛い動物たちがもっともっと増え、人の目を心を楽しませてほしいもの
である。 幸い、彼らの毛皮は耐久性に乏しいために利用価値が低く、だれも撃つ者は
いない。 その意味では北海道に森林があるかぎり、その繁栄は保証されているといえ
よう。 幸運な連中である。
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ミニチュアホースの削蹄
2008-11-28 Fri 23:03
0811ミニホース

先週月曜日の祝日に、円山動物園で偶然、ミニチュアホースの削蹄 ( さくてい )
作業をしているところに遭遇しました。



0811ミニホース2

小さくて可愛らしいこの動物を、4人がかりで押さえつけて、外部からいらした専門の
方が小さなナタで蹄 ( ひずめ ) を切って、さらにそこにやすりをかけていたのです。



0811ミニホース8



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美味しそうな干草で注意を逸らして ・・・・・ でも、トカラヤギやヒツジ君がちゃっかり、
柵から顔を入れて、おすそ分けをいただいていたのでした。

0811ミニホース4



0811ミニホース9

いやはや,実に平和な光景ですね ・・・・・・


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弟路郎
2008-11-27 Thu 19:50
0811弟路郎

円山動物園を訪れたときは、必ず弟路郎に会いに行くのですが、いつも退屈そうに
しています。 時には隅っこで隠れるように寝ていて、顔を見ることさえもできません。
色々いざこざが多いものの、いつも賑やかなチンパンジー館とはずいぶん違います。

0811弟路郎2

そん中で、唯一生き生きと動き回っているのは、食べものを探しているときです。
野生動物は、一生の大半をこのために過ごしているのですから、できるだけ本来
の姿に近づけるには、食べものを隠したり、取りにくくすることも必要なのです。

これが、いわゆる “ 動物たちの暮らしを豊かにする試みである 「 環境エンリッチ
メント 」 ” ということになります。

0811弟路郎3

その一環ですが、取りにくくされた食べものを、弟路郎が器用に獲得する様子を
ご覧ください。



実に、タオルを器用に使いますね。

0811弟路郎4

そして、さらに棒を使った、これらの複雑な動きには感心します。




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フリーフライト
2008-11-25 Tue 19:49


先週の土曜日に、円山動物園で 「 猛禽類のフリーフライトと鷹匠体験 」 という催しが
ありましたので、紹介しましょう。 この主人公はトビで、名前は 「 デューク 」 ( オス ) 。



雪が降る中、贅肉のない精悍な鳥が、風を切って自由に空を滑空していました。



そして、「 鷹匠体験 」 では、女性飼育員の腕を飛び立った 「 デューク 」 は、地面すれ
すれを滑空し、体験希望者の腕に見事着陸したのです。

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